二酸化炭素消火器放出試験

2025.08.19 実績のカテゴリ

この度、お客様が長年ご使用されていた二酸化炭素(CO2)消火器の交換時期を迎えるにあたり、安全かつ確実に廃棄するため、全数(または一部)の放出試験を実施いたしました。

二酸化炭素消火器は、電気設備火災や油火災に有効ですが、古い容器は経年劣化や**型式失効(2010年以前製造分など)**により、使用時に正常に作動しない、あるいは破裂の危険性があるため、定期的な交換が消防法規やメーカー推奨により求められています。

1. 試験の目的:確実な性能と安全な廃棄のために

今回の放出試験は、主に以下の2点を目的として実施しました。

  1. 性能の確認とデータ取得:長期間設置されていた消火器が、設定通りの消火剤量(二酸化炭素ガス)を規定時間内に放出できるかを確認し、設備の劣化状況をデータとして把握しました。
  2. 安全な容器の処分:高圧ガス容器である消火器を廃棄する際、ガスを完全に放出し、容器内を大気圧まで減圧させる作業が不可欠です。試験を通じて、安全に高圧ガス容器としての機能を失わせ、リサイクル可能な状態にしました。

2. 試験の実施内容

二酸化炭素消火器の放出試験は、周囲への影響や安全性を確保した上で、専門の知識を持った有資格者が担当しました。

項目実施内容安全対策
場所の選定周囲に人や建物がなく、ガスが滞留しない屋外の安全な場所を選定。二酸化炭素中毒のリスクを回避するため、風通しの良い場所を厳選。
作業体制作業主任者を配置し、複数名で作業を実施。予期せぬ破裂や機器の誤作動に備え、防護措置を講じ、手順を厳守。
放出作業消火器本体の質量(内容量)を確認後、安全ピンを抜き、レバーを操作して全量を放出。**「液化炭酸ガス」**の噴射に伴うノズルの凍結(ドライアイス化)や反動に注意し、確実な操作を実施。
最終確認放出後の消火器の質量を再確認し、残留ガスがないことを証明。確実に減圧されたことを確認し、高圧ガス容器としての危険性がない状態で廃棄処理へ移行。

3. 試験の結果と考察

放出された二酸化炭素ガスは、目視で白煙状に確認され、規定時間内に全量が放出されました。

今回の試験データに基づき、お客様には最新の規格に適合した消火器(例:環境負荷の少ない強化液消火器粉末消火器など)への速やかな更新と、適切な設置箇所についての見直しをご提案いたしました。

4. まとめ:消火器は「使えること」が重要です

消火器は、火災の初期消火において最も重要な役割を果たします。しかし、高圧ガスを扱う機器であるため、老朽化は重大な事故につながるリスクを伴います。

弊社では、設置された環境や用途に合わせた最適な消火設備の提案から、交換、放出試験、廃棄手続きまで、一貫してサポートいたします。

古い消火器の交換や点検でお困りの際は、安全・確実な処理を行う専門業者である弊社まで、ぜひご相談ください。

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