火事が多い季節とその原因について

2025.08.04 注意点

〜消防設備点検のプロが解説〜

火災は一年を通じて発生しますが、実は季節によって発生件数や原因に特徴があることをご存じでしょうか。消防庁の統計や現場での実務経験を踏まえると、「冬場に火災件数が増える傾向」が顕著に見られます。この記事では、火災が多い季節とその主な原因について、消防設備点検業者の立場から専門的に解説いたします。


1. 火災の発生件数と季節性

火災統計(消防庁「火災の実態」)によれば、日本における火災の出火件数は年間約3万〜4万件にのぼります。その中でも、出火件数が特に増えるのは 12月から翌年3月の冬期 です。

季節ごとの傾向

このように「冬場が突出して多い」一方で、各季節ごとに特有の原因がある点が特徴です。


2. 冬場に火災が多い主な原因

(1) 暖房器具の使用

(2) 空気の乾燥

冬季は湿度が低下し、可燃物の着火点が下がるため、わずかな火種でも火災に発展しやすい。

(3) 年末年始の特殊要因


3. 春から秋にかけての火災要因

春(野焼き・花見シーズン)

夏(屋外イベント・雷火災)

秋(乾燥と行事)


4. 出火原因の分類(消防法上の区分)

消防庁の統計による出火原因の主な分類は以下の通りです。

  1. 放火・放火の疑い
    火災原因の常に上位。特に空き家や駐車場で発生。
  2. たばこ火災
    消火不十分な吸殻や寝たばこ。
  3. こんろ火災
    調理中の油の過熱による発火。
  4. 電気火災
    トラッキング現象、配線のショート、過電流による出火。
  5. ストーブ火災
    可燃物との接触、転倒による油漏れ着火。

消防設備点検の現場では、特に「電気火災」と「ストーブ火災」のリスク低減が重要視されています。


5. 火災拡大を防ぐ設備とその点検の重要性

火災が発生した場合に被害を最小限に抑えるのが「消防用設備等」です。消防法第17条により、建物用途や規模に応じて設置義務があります。

代表的な設備と点検のポイントは以下の通りです。

これらは「機能点検(6ヶ月ごと)」と「総合点検(1年ごと)」が消防法で義務付けられており、我々消防設備点検業者が担う重要な役割です。


6. 火災予防のためにできること

建物オーナー・管理者向け

一般家庭向け


まとめ

火災は「冬に多い」という統計的事実がありますが、その背景には暖房器具の使用、乾燥、大掃除・年末行事など複数の要因が重なっています。春夏秋も油断できず、それぞれの季節特有の火災リスクが存在します。

そして重要なのは「火災を完全にゼロにはできない」という現実です。そのため、消防用設備の設置・点検・維持管理が被害拡大を防ぐ最後の砦 となります。

私たち消防機器点検工事業者は、皆さまの建物と命を守るために、法定点検はもちろん、現場での実践的アドバイスを行いながら火災予防に取り組んでおります。

「火事は他人事」ではなく、日常のちょっとした注意と定期点検が、重大な被害を未然に防ぐことにつながるのです。

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