消防点検を忘れると「いざ!」という時に使えないから気を付けるべきこと

2025.08.04 業務忘備録

火災は、予期せぬタイミングで発生します。そして、その被害を最小限に抑えるために不可欠なのが 消防用設備等の適切な点検・整備 です。しかし、実際の現場では「点検を先延ばしにしてしまう」「数年以上放置している」というケースが少なくありません。その結果、いざ火災が発生した際に消火器や自動火災報知設備、防火扉などが正常に作動せず、大きな被害につながることがあるのです。

この記事では、消防点検を怠ることのリスクや、注意すべき点について専門業者の視点から解説します。


消防用設備等の役割と法的義務

消防用設備等には以下のような種類があります。

これらはすべて「消防法」に基づき、建物の規模や用途に応じて設置が義務付けられています。さらに、設置するだけではなく定期的な点検・報告 も義務です。

これらを怠ると、消防署からの是正命令や罰則の対象となるだけでなく、火災発生時に取り返しのつかない被害を招きかねません。


点検を忘れると起こりうるリスク

1. 消火器が作動しない

消火器は加圧式・蓄圧式にかかわらず、長期間放置するとガス圧が低下したり、ホースが固着したりして使用不能になります。点検を怠れば、いざ火を消そうとしても噴射できない可能性があります。

2. 自動火災報知設備の不作動

感知器が埃や塵で塞がれていたり、老朽化している場合、発報が遅れます。火災の初期発見が遅れると、避難が困難になり被害が拡大します。

3. 防火扉・シャッターが閉まらない

ヒューズが劣化していたり、動作確認を怠っていると、煙や炎を遮断できずに延焼を防ぐ効果が失われます。

4. 避難設備が劣化している

救助袋や避難はしごは、普段使われることがほとんどありません。そのため「新品同様に見える」ものでも、金属部分が錆びていたり布地が劣化している場合があります。点検をしないと、避難時に破損して事故につながる恐れがあります。


消防点検を実施すべき理由

消防点検は単なる義務ではなく、生命と財産を守るための最低限の備え です。

これらはすべて、定期的な点検を行うことでしか実現できません。


点検時に注意すべきポイント

点検を依頼する際は、以下の点に注意しましょう。

  1. 有資格者が行っているか
    消防設備士、消防点検資格者などの資格保有者であることを確認しましょう。
  2. 報告書の提出を受けているか
    点検後は消防署に提出する報告書を発行してもらう必要があります。
  3. 不具合があった場合の是正工事対応
    点検だけでなく、修繕まで対応できる業者に依頼するのが安心です。
  4. コスト重視だけで選ばない
    価格だけで決めると、必要な検査を省略する業者に当たるリスクがあります。

まとめ

火災は「想定外の出来事」ではなく、「いつでも起こり得るリスク」です。そして、その備えを形だけで終わらせてしまえば、肝心のときに役立ちません。

消防点検を忘れる=設備が使えない可能性を高めること です。
だからこそ、定期的な点検と適切な維持管理を徹底することが重要です。

「いざ!」という時に確実に作動するために、今一度ご自身の建物の点検状況を確認してみてください。

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